「こうあらねばならない」
「こうしなければならない」
こういう風に考えるのを「べき思考」と
呼びます。
心理学を学んでいる方は、ご存じかも
しれません。
結論から言いますと、「べき思考」が自分を
辛くする原因だとは、あまり知られていない
ことだと思われます。
なぜならば、大多数の人たちが「べき思考」
から生まれた感情もどきを大事にしている
からです。
例えば、朝起きた時に、会社に行きたくないと
思ったとします。
しかし、会社には、這ってでも行かないと
いけないと思っているあなたは、こう言い
ます。
「たったこのくらいのことで、会社に
行かないなんて、あり得ない。これは、
気分を変えて、行けばいいことなんだ」
こういう風にあなたは、自分が「べき思考」
で、苦しんでいるにも関わらず、それを認
めることができずに、さらに輪を掛けて、
自分を騙したり、発破かけたりして、気分
を無理矢理変えて、会社に行くのでした。
こんな時、あなたは、こう反論するでしょう。
「じゃあ、行きたくない時は、会社に
行かなければいいのか」と。
こんな風に、極端に発想するのも、「べき
思考」に囚われていて、自分がしたいこと
をしたい時にするという発想が出てこない
からかもしれません。
これを自分中心心理学では、他者中心の
生き方と呼んでいます。
他人が決めたルールを基準に自分の行動の
判断をしている状態のことです。
一方、自分の意志や気持ちや感情を
大事にする生き方もあります。
それが自分中心の生き方です。
先の例で言うならば、自分が会社に行きたく
ないと思っている気持ちを大事にします。
「そうか、私は、会社に行きたくないと
思っているんだな」
そして、なぜ、自分が会社に行きたく
ないのか、その気持ちを見つめます。
「通勤時間が辛いのか、人間関係が辛いのか。
給料の条件が辛いのか、仕事の内容が辛いの
か」
この時、自分は、人間関係が辛いのだ
ということがわかりました。
そしてまた、この人間関係の辛さは、直属の
上司に対して、自分が言いたいことを言えず
に、我慢しているから、辛くなっていること
がわかりました。
それは、自分にこんな「べき思考」が
あるからだということにも気づきました。
「相手と争わないために、自分は、言うべき
ことを言わずに、やり過ごさないといけない」
この「べき思考」が上司との関係を辛いもの
にし、自分が会社に行きたくなくなる原因と
なっていたのです。
こんな風にして、自分がどういう風に思って
いるのか、どういう風に考えて、どう感じて
いるのかを大事に、行動するのが自分を大事
にする生き方と言えるのです。
自分が変わらずに、現実が変わることは
ありません。
自分と向き合わずに、悩みの原因を
特定することはできません。
何をするにしても、自分が楽なのかどうかを
自分中心心理学は、選択の基準にしています。
きついと思うことは、しなくてもいいのです。
したとしても、それを自覚しています。
まずは、自分がどんな「べき思考」をして
いるのかを見つめ直してみませんか?
自分がその「べき思考」で、何を辛く感じて
いるのかを認めて、スッキリした気持ちで、
生きたいですね。
「べき思考」に気づくだけでも、あなたの
未来は、少しずつ変わっていくのです。